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  • 2024/04/08(月)
  • 農家を志す方々へ ―グリーンフィールドファーム株式会社 専務取締役 林 和宏さん― 



農業も捨てたもんじゃないですよ! 

 『農業でも稼げるんだ!!』を多くの人と達成していきたいです!

 

関東平野のほぼ中央に位置する茨城県結城市の農業法人、グリーンフィールドファーム株式会社。「結城台地」と呼ばれる豊かな土地が広がり、清らかな鬼怒川の水や豊富な日射量にも恵まれ、この環境を活かして、白菜やキャベツ、レタス、ネギなど季節に応じた野菜を年間通して栽培しています。
「小さい頃は、農業は大変だと思っていたから、農業をやりたいとは思ってなかったですね。」と笑う林さん。

そんな林さんに現在の農業に対するお考えや、経営で大切にされていることなど、お話を伺ってきました。

 

―林 和宏さん プロフィールー

 茨城県結城市生まれ。 林和宏さんは、ハヤシ農園の息子として誕生。
 小さな頃から親の農業のやり方を見て「農業は大変だ」と感じており、農業をやりたいと思っていなかった。
 
就職で家を離れて農業以外の分野の仕事に就職。会社員として生活を送る。
 農業に携わるようになったのは、20年前、ハヤシ農園の3代目であるお父様が亡くなったことがきっかけだった。農業を続けていきたいというお母様の想いを受け、ハヤシ農園4代目として家業を継ぐこととなった。202061日に法人化し、社名をグリーンフィールドファーム株式会社に変更。
 現在は法人化して4年目。今まで市場がメインだった出荷先を、企業様と直接契約し出荷するようにしたことで、安定的に収入を得る仕組みづくりを実現。現在はお客様の声に応えるべく安定生産・安定納品をモットーに、従業員一丸となって野菜の生産に取り組んでいる。
 
 

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◇農業をやりたくないと思っていたそうですが、実際に農業経営に携わって大変だったことはありますか?

実際にやってみると野菜を育てるのは楽しいなと思いました。

ただ、農産物って、天候に恵まれてよく出来た時ほど市場では値段が安くなるんですよ。

他の農家さんも良く出来るから、市場に出荷される量も多くなる。そうすると、野菜の単価も低くなるんです。

逆に天候が悪くて、量が収穫できなかったり、モノが悪かったりすると単価が上がるんです。

一生懸命育てて、良いものが出来た時に、流通量が多いからと市場では買い取り価格が下がってしまう、というのはとても矛盾を感じていました。それでは収入も安定しないですし、そういう部分での難しさを感じていました。

私が農園を継いだ時に力を入れたのが、その農産物の販売の時に起きる矛盾を解決して、収入を安定させるにはどうしたらいいかという部分です。

一生懸命育てて、いい野菜が出来た時はしっかり「いいね!」と正当に評価する状況を作りたいですし、なにより、従業員の生活を守るためにも収入を安定させる仕組みを作らなきゃいけない。

 

そこで企業に営業をして、直接契約をしてもらうことにしたんです。

安定した販売先の確保と購入価格を一定にしていただく分、私たちはより良い品質で、注文いただいた量をしっかり収めるように努めています。

より一層の責任を感じますが、おかげさまで野菜の品質をしっかり評価していただき、収入の安定化を実現することができました。

今では「安定供給」できることが私たちの強みになっています。

 

 

◇農業をやっていてやりがいに感じる瞬間は?

やっぱりお褒めの言葉をいただく時が嬉しいですね。

「林さんとやってよかった!」

「林さんのところは形が揃っているからありがたい!この作物だからこそ加工処理がしやすいよ。」

お客様のそういった言葉を聞くときにやりがいを感じます。

 お客様との信頼関係のもと、私たちは責任を持って生産に取り組めることが、やりがいに繋がっていくと思ってます。

スタッフの皆にもそのやりがいは感じてもらえたらと思っていて、当社ではスタッフからの提案を積極的に取り入れています。提案があれば、それをみんなで検証してみんなでより良くする。そうして一緒に仕事を作っている感覚を共有することで、やりがいや楽しさに繋がると思って仕事をしてもらっています。

 

 

20代~30代のスタッフが多いそうですが、若いスタッフに対して接するときに気にかけていることはありますか?

働くうえで大切なのは、自分で考えて、行動していけるかどうかだと思います。

失敗してもそれを失敗だけで終わらないように、どうして失敗したのか、どうしたら改善できるのかを考えていく力を育てるように接していますね。

 やる気がある人は、任されてやらせてもらえる環境だと仕事が面白く感じられるはずです。

どんな仕事でも、どうしたら楽しくなるかを考えてやっていく力が大切になってきます。

自分が楽しいと思えるように頑張ってみてください!

 

 

◇今後のビジョンを聞かせてください。

 私たちの課題は、安定生産・安定納品をより確実にしていくことです。

安定供給が私たちの強みとなってはいますが、まだまだ不作の時や茨城では生産できない作物は他社から買取して納品することもあります。

お客様の注文に応えられないという状況にならないよう、リスクを回避するためにはどうしたらいいか、そのための仕組みづくりを進めています。

 そのためには、「お客様の注文に確実に応えていく!」という強い気持ちを共有できる企業との連携の輪を広げていくことと、現在他社から購入してお客さんに出している野菜を、なるべく自社で生産できるような形にしたいと思っています。

 茨城を中心に他産地に展開して、仲間を増やし、生産者に特化した企業にしていきたいです。

 

 

◇最後に、この記事を読んでくれている農業分野で働きたい皆さんにメッセージをお願いします!

 あんまりお金の話をすると、いい顔しない人もいますけど、

 

「農業で儲けよう!」って言いたいですね!

「農業でも稼げるんだ!!」ということを、多くの人と達成したいです。

 

給料面が上がれば、職業としての農業の魅力も上がりますから。

一緒に頑張っていただける方、お待ちしています。

農業も捨てたもんじゃないですよ!

 

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― 取材を終えて ―

林さんの経営方針は、安定供給が信頼を生み、お客様との繋がりをしっかり作る、ということを徹底されており、お客様の注文に真摯に応えようと尽力する姿勢がとても印象的でした。
自然相手で、作物が不作になることは避けられない部分がありますが、「しょうがない」では済まさずに、ではそんな時どうしたらいいのかを考える。そして会社として出来ることを広げていこうと今後のビジョンとして準備されています。林さんの一貫した経営方針に、お話を聞きながらカッコいいなぁと感動してしまいました。

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