現地体験レポート

  • 現地体験レポート:あと何回できる?!1年に1度限りの経験を重ねて....有限会社穂海農耕 井馬 慎二 氏
有限会社穂海農耕は、平成17年設立。新潟県上越市にて約150haもの広大な面積で米を生産しています。
社長を含め、全てのメンバーが非農家(親が農家でない)出身。社員の平均年齢は約30歳と若手中心の組織です。

今回は、農業経験の無い方へ、働く際のイメージをより具体的に知っていただくため、勤続6年目の井馬慎二氏(29歳)へ取材をしてきました。

■まずは、プロフィールから!
北海道十勝出身、現在29歳です。
高校卒業後はスノーボードを学ぶため、新潟県の専門学校へ進学。
ゴルフ場とスキー場を経営する会社で勤務した後に転職し、有限会社穂海農耕へ入社しました。
現在勤続6年目。主任として、種籾をまき、田植えまでの期間を管理する「育苗(いくびょう)」、「田植え」及び「玄米の乾燥調製」をメインに担当しています。

▲近頃、ご結婚されたばかりの井馬氏です。

■穂海農耕へ入社したキッカケは?
専門学校の先輩がすでに穂海農耕へ入社していて、やってみないか?と声がかかったことがキッカケです。
”外で体を動かして働く”という農業のスタイルに魅力を感じたこともあり、縁あって入社を決めました。
両親が農家ということもなく、会社がある新潟県は出身地でもありませんでしたが、両親からの大きな反対もなく「やり始めると決めたのであれば最後までやり切れ」と背中を押してもらえました。
北海道の十勝で育ったこともあり、農業は身近な存在。しかし、まさか自分がやることになるとは思ってもみませんでした。

▲楽しそうにお話しされる井馬氏(左)と合流した日比取締役(右)

■入社後、ギャップを感じることはありましたか?
事前に仕事内容な職場の雰囲気など、紹介してくれた先輩から話を聞いていたため、大きなギャップはありませんでした。
ただし、自信があったハズの体力面は想像以上に苦労しました。
慣れない作業の連続や、天候により予定通りにいかない作業に追われたり、自分の都合で動けない点は、意外と体にこたえました。
1年目は何も分からず、ただ目の前にある業務でいっぱいいっぱい。がむしゃらに取り組みました。
しかし、1年間やりきった後、部分的に見えていた一つ一つの業務が頭の中で繋がった上で完成形である収穫した米を見た時、やりがいを噛みしめたことを覚えています。

▲農機の整備をしている様子

■今(2月)は農閑期ですよね?何をしていることが多いですか?
雪があるので畑仕事はありません。体を動かすのは農機の整備くらいでしょうか?
体力面はゆったりとしているのですが、一方で頭は忙しいです(笑)。
正に今、肥料のやり方を考える「施肥設計」や「作付計画」に頭を悩ませています。
自分の担当ではないのですが、販売用の種籾の選別作業も急ピッチで進んでいます。

■生産面積がどんどん増えていて、大変ですね
3年前が大幅に面積が増えたタイミングで、チャレンジの年でした。
60haくらいだった面積が100ha程度へ急増し、今思い出しても、本当に大変でした。
その経験のお蔭なのか、今では少し面積が増えたぐらいでは物怖じしません(笑)。
しかし、毎年変わる畑の条件や種籾の状況。
昨年度のやり方を踏襲しながらも試行錯誤の連続です。

▲事務所の前で。春からは4名の社員が入社します

■社長ってどんな方なのですか?
社長ってちょっと変わってるでしょう?(笑)
社長はいわゆる発想家。現場に噛り付くのではなくて、外を飛び回りアイデアを見つけて来ては、現場へ提案して下さいます。
また、困った時には必ず違った角度からアドバイスしてくれます。
日々の業務については、大枠のスケジュールは決まっていますが、指示通りにやれ!という事はあまりなく、自分で段取りをして進めていきます。
社長からは「あーせい、こーせい」とは基本言われません。
その分、社内のヒエラルキーがはっきりとしていて、何かトラブルや迷いがあった際には、係長や取締役がしっかりサポートしてくれます。

■■農業の魅力って何でしょうか?
元々農業に興味があって入社したわけではないのですが、今では田んぼのことばかり考えています(笑)。
当たり前ですが、お米の場合、収穫できるのは1年に1回。1年に1回しか結果が分かりません。
私は今20代後半ですが、後何回チャレンジできるのだろう...と考えると1日1日を大切にしなければ、と強く思います。
毎年春が近づくと、緊張とわくわくが高まってゆきます。

▲新潟県上越市は雪の多い地域です。冬は美しく静かな景色が広がります。

■■穂海農耕の特長として思いつくことはありますか?
「自己研鑚制度」という取り組みを採用していることでしょうか。
冬の農閑期は、副業や趣味に充てるための大型連休の取得も可としています。
もちろん、出社してもかまいません。
繁忙期ももちろんありますが、1年中仕事に縛られるということはなく、自分で考え、選び、生きることができることが魅力だと感じています。
スノーボードやスキーに打ち込んだり、家族との時間に充てたり、全く異なる副業にチャレンジする者もいます。

▲会社の前の景色をバックに

■最後に、就農を目指す方々へ一言お願いします!
「農業」というと一般企業と違うイメージが先行してハードルを感じる方もいらっしゃるようですが、当社の場合は特に変わりは無いと思っています。
「自ら考え、行動をおこす」
当社で働くことにより得られるスキルは、農業のみならずどんな仕事をするにしても通用すると感じています。
体を動かすことが好き!デスクワークではない働き方を探している、趣味も楽しみたい、自然が好き!という方でしたら、一つの仕事の選択肢として「農業」を考えてみてもいいかもしれません。

★★「有限会社穂海農耕」では、新しいメンバーを募集しています

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