- 2013/10/29(火)
- 家庭菜園がきっかけで農業に―「自分が作ったものを他人に食べてもらえることが喜び」 野中 智さん
野中 智さん (勤務先:静岡県菊川市 株式会社やさいの樹)
東京でサラリーマンとして会社勤めをしていたという野中さん。
2013年1月から農家のおしごとナビを通じて静岡の農業生産法人、株式会社やさいの樹に就職。
そんな野中さんに農業を選んだ理由などをインタビューいたしました。
Q. どうして農業を選んだのですか?
A. 僕は東京で5年近く会社員をしていました。銀行の下請けの仕事で、毎日とても忙しく働いていました。
それまでの僕は「仕事はお金を稼ぐだけのものという感じで、毎週土日の為に生活をしているような感覚でした。
そんな時、あるきっかけで屋上菜園をするようになったんです。たまたま当時住んでいる家に屋上があって。
やってみると想像以上に面白くて、食べ物を作ることの喜びを知りました。
農業をやってみたいなと思ったのはそれがきっかけです。
自分が作ったものを、自分だけで食べるのではなくて、他人に食べてもらえたらもっといいんじゃないかって思ったんです。
それから農業の仕事をいろいろ調べてみて、実際に求人をしている農家を何軒か回って、その中から今の会社を選びました。
Q. どうして「やさいの樹」を選んだんですか?
A. 一番社長が厳しかったからです(笑)
何日かまずは体験をさせていただいたのですが、初めから手加減などなかったですし、仕事はとてもきつかったです。
でも、社長の塚本さんは新規就農をされた経験のある方で、農業の厳しさ、大変さを身に染みて感じていらっしゃる方ですので、中途半端な気持ちでは農業はできないってことを伝えてくれたんだと思います。
現場第一主義で社長自ら先頭に立って農作業をされていたので、ここなら1から農業を学ぶことができると感じました。
Q.実際に職業として農業をやってみていかがですか?
A. やさいの樹は露地栽培でキャベツやレタスなどを作っています。外での仕事ですし、力仕事もたくさんありますので、きついなって思うことはたくさんあります。天候に左右されますので思い通りに行かないこともあり、難しさも感じています。でも、イヤだと思うことはありません。1つの種が育っていく変化をずっと見ていくのが楽しいですし、自分が育てた作物を販売して直接お客様の顔を見ることも楽しいです。
これまでの仕事ではなかった“モノを作る喜び”を実感していますし、四季を感じながら仕事ができるのもいいな~と思います。
Q. これからの目標を教えてください
A. とにかく今は全てを学びたいです。社長から全てを吸収して会社の中心となれるように頑張っていきたいです。
【取材を終えて】
東京でごく普通のサラリーマンとして働いていた野中さん。よく東京の街で見かけるような青年が、どういったきっかけで農業の道に進んだのか、とても興味がありました。理由を聞いてみると、家庭菜園がきっかけとのこと。実は家庭菜園がきっかけで農業に!という方は結構多いんです。でも、実際にやってみると、職業としての農業と家庭菜園とは全く別物です。だから、いざ農業をやってみると長続きしない、なんてこともよくあるのですが、野中さんは違いました。サラリーマン時代には感じることのなかった、“モノを作って人に喜んでもらう”ということが、彼にとってはやりがいになったようです。確かに、食べ物は人が生きていく上で絶対的に必要なものです。それを作る農業という仕事はこれ以上にない崇高な仕事なのかもしれません。そこに喜びを感じることができるのかが、分かれ目なのでしょうか。野中さん、元サラリーマン代表としてこれからもご活躍を期待しています!取材のご協力ありがとうございました。
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