田澤農園

こんにちは！
K＆K Farm代表の小原（こはら）と申します。
「ん？募集は田澤農園じゃないの？？」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
そうです、今回パートさんの募集をおこなうのは、千葉県の八街市と千葉市緑区に農園がある田澤農園です。
では、なぜ私が募集をしているのか。その背景を少しご説明します。

私は東京都江戸川区の農家として生まれ、「小原農園」の4代目として小松菜を生産しています。
小松菜は世間一般でもとてもメジャーな野菜だと思いますが、実は江戸川区が発祥の伝統野菜で、江戸時代にこの地を訪れた8代将軍徳川吉宗公が食べて名付けたと言われています。都市化が進み、周囲は住宅だらけではありますが、現在でも江戸川区では小松菜を大切に生産している農家が多く、全国でも有数の産地となっています。私もそんな農家の一人です。
代々受け継がれてきた栽培技術を大切に守りながら、一方ではデータに基づいた栽培管理手法を取り入れ、限られた面積でいかに収量を上げるか、いかに生産性を高めるか、更にはいかに美味しくするかを追求しつつ、独自の販売ルートを開拓して経営を発展させてきました。その成果が認められ、2013年と2017年、そして2022年に農林水産大臣賞という名誉ある賞を受賞することができ、とても励みになっています。

そんな私ですが、地域の農家の中では若手の部類に位置します。地域では担い手の高齢化が進み、離農する人も増えています。「これからは地域の農業全体のことを視野に入れていろいろなことに挑戦していかなければ」という思いが年々強くなってきました。そんな折、同じ江戸川区の小松菜農家である門倉と意気投合し、2017年からK＆K Farmとして経営の一部を共同でおこなうようになりました。同じ志を持つもの同士、切磋琢磨しながら、２人でないと生み出せないものを作り、地域の農業を盛り上げていこうと考えたのです。そんな2人の活動が着実に実を結び、今年、K＆K Farmとして日本農業賞 特別賞を受賞することができました。
前置きが長くなりましたが、ここからの話が今回の募集につながっていきます。

田澤農園の田澤さんは、私の父と同じ世代で、現在80歳を超えていらっしゃいます。江戸時代から代々続く農家の8代目で、私たちと同じ江戸川区で以前は小松菜を生産されていました。しかし、都市農業の行く末を案じ、今から35年くらい前にハーブの生産をスタート。今でこそレストラン等でよく使われているハーブですが、当時はまだ世の中にほとんど認知されておらず、栽培する農家もおそらくほとんどいなかった時期です。田澤さんは海外から文献を取り寄せるなどし、独学で栽培方法を確立されたそうです。その後、田澤さんのハーブは、徐々にホテルのレストラン等で使われるようになり、日本におけるハーブ栽培の先駆者として「田澤のハーブ」は、広く世の中に知られるようになったのです。
事業が軌道に乗ってからは、栽培量を確保するために、新たに千葉県八街市と千葉市緑区に農場を開設。より多くのハーブを生産する体制をつくり、現在に至ります。
そんな田澤さんのハーブは、何と言ってもその香りの高さに特徴があります。ハーブは効率を求めて水耕栽培で栽培されることが多いのですが、田澤農園では土づくりにとことんこだわり、土耕栽培でハーブを生産しています。
今でも一流レストランや某テーマパークのレストラン等で積極的に使われているのは、その品質の高さ故のことです。

「後継者がいないからもう農園を畳もうと考えている」
同じ江戸川区で農業を営む私と門倉のもとに、田澤さんのそんな声が耳に入ってきました。
瞬間的に、それはダメだ！と思いました。お付き合いのある豊洲市場の仲卸業者さんからも田澤さんのハーブの品質の高さはよく聞いていましたので、この栽培技術は絶対に後世に残していかなければいけない、と思ったのです。
そこで、私たちは田澤農園の事業を継承することを決め、現在２人で田澤さんに栽培技術を教えていただきながら徐々に事業継承の準備を進めているところです。来年1月には正式に事業を引き継ぐ予定となっており、これから先は私たちが中心となって農園を次世代へと繋いでいこうと考えています。

ということで、ようやく本題になりますが、今回、千葉県八街市沖にある農場にてハーブの収穫や出荷調整作業のお手伝いをしていただけるパートさんを募集いたします。
現在、農場の作業は週3日、水曜日と金曜日と日曜日の朝8時～13時の時間におこなっています。出荷先である市場のお休みの関係で曜日が変わることも時々ありますが、原則この曜日と時間帯にお勤めいただける方を求めています。初めのうちは田澤農園としての雇用ですが、来年１月には雇用もK＆K Farmにスライドいたします。

作業の内容は1から丁寧に教えていきますので、農業が未経験という方でももちろん大歓迎です。
ハーブは軽量ですので、重いものを持ち運んだりするような重労働は一切ありません。ハーブを収穫して洗浄してパック詰めして、また収穫して洗浄してパック詰めしてという感じで、1日は流れていきます。細かい作業を淡々とこなしていただくことが得意な方や好きな方に向いている仕事です。ときには草むしりなどもお願いすることになります。夏は暑さとの戦いになりますが、パック詰めする作業場はエアコンが効いていて涼しいです。また、トイレも完備ですので安心してお勤めいただけます。
初めは作業に慣れていただくところからですが、先々はどうしたらより多くの作業をこなすことができるのかを考えながら作業をしていただくと、作業がより面白くなっていくと思います。私の農園では、作業量に応じた報奨金なども出したりしていますので、先々、事業を継承した後にはそんな制度も導入してみんなで盛り上げていけたらいいなと考えています。

現在八街の農場では3名のパートさんたちが活躍中です。うち、1名の方が3月で退職されることになったこともあり、今回２名の方を急遽募集をすることになりました。パートさん達はいずれも大ベテランの方ばかり。作業のことはなんでもわかっているのでとても頼もしい存在です。私も途中から加わりましたが、本当に温かく迎え入れてくださって、仕事もやりやすい環境です。
その他、私と共同経営する仲間、そして田澤さんの娘さんが週に１回ずつ交代で栽培管理をしに来ます。
そんな仲間たちと共に、ぜひ農業のお仕事をしてみませんか？

ご興味のある方、ご応募をお待ちしています！